今回はキャブレターについて解説していきます。
キャブレターって何?
中身はどうなってるの?
この不調、キャブレター?
と思われてる方、キャブレターの仕組みと各部品について、キャブレターが原因によって起こる不調について紹介していますので是非最後まで読んで頂けると幸いです。
キャブレターの仕組み
タンクから流れてくる燃料を一定に保つ
空気と燃料を爆発しやすい比率に混ぜる
霧状にしエンジンに送る
燃料はそのままでは効果を発揮できないので、空気と混ぜて燃料として使います。
理想の空燃比率は14.7:1とされています。
エンジンの圧縮する時に発生する負圧によって空気と燃料が送りこまれます。
その空気と燃料の量を調整しているのがキャブレターです。
キャブレターに不具合が起こるとエンジン始動不良や、アイドリングが不安定になったり、思うようにパワーがでなかったりします。
キャブレターの種類
キャブレターにもさまざまな種類があるんですが大きく分けて2つあり、アナログ式とデジタル式があります。
一つは古くから長年使われてきたキャブレター、二つ目はCPU制御のインジェクションです。
キャブレター | インジェクション | |
走行 | セッティングによって不完全燃焼が起きやすくムラがある。 | CPU制御の為、燃焼効率が良い。 |
メンテナンス | パーツの交換が容易。 | パーツの交換は専門的な知識が必要。 |
メリット | メンテナンス性が良く初心者でも手を出しやすい。 電気的な制御がなく極端なセッティングができる。 | 燃焼効率が良くエンジンの負荷が少ない。 気温、気候に左右されず安定した走行ができる。 |
デメリット | 日々のメンテナンスが必要。 最適なセッティングをだすのに手間がかかる。 | 部品代が高い。 セッティングを変えるのに専用機器が必要。 |
現在のバイクにはほぼ高確率でインジェクションが使われています。
キャブレター車もまだまだ人気でよく見かけますが、そのうちインジェクションが主流になってくるでしょう。
キャブレターの中身
次はキャブレターの中身について説明していきます。
キャブレターの中には
- メインジェット
- スロージェット
- パイロットスクリュー
- ニードル
- ダイアフラム
- フロート、フロートバルブ
- スロットルバルブ
といった重要な部品がいっぱい詰め込まれています。
どれか一つでも不具合があればエンジンの調子に影響してきますので一個ずつ説明していきます。
メインジェット
主にアクセル全開時の燃料ラインです。
後で紹介するニードルと連携しており、低速~高速域まで全体に影響する部分でもあります。
スロージェット
アクセル全閉時の燃料ラインで主にアイドリング時に働いています。
極小の穴があいていて詰まりやすく、始動不良やアイドリング不調はここが詰まっていることが多いです。
パイロットスクリュー
アクセル全閉時、アイドリング時の混合気を調整する部品です。
締め込むと燃調は薄くなり、緩めると燃調は濃くなります。
軽く締め込んでから大体1~2回転戻しの間で調整します。
締め込むと薄くなると説明しましたが、実は逆パターンもあります。
それはスクリューの位置で判断します。
エンジン側にあれば締め込むと薄くなり、エアクリーナー側にあると締め込むと濃くなります。
エアクリーナー側のはエアスクリューと呼ばれたりもします。
理由はエンジン側の場合は混合気の量を調整するのに対し、エアクリーナー側では空気の量の調整になるからです。
間違えやすいので注意してください。
ニードル
アクセル中間域の燃料ラインでテーパー形状になっており、メインジェットに刺さるような感じでついています。
アクセルを開くにつれてニードルが持ち上がっていき、適切な量の燃料が吸い出されるようになっています。
ダイアフラム
アクセル開度に応じてニードルを持ち上げる働きをしています。
負圧で動いており、破れがあると吹けなかったりアクセルワークに対して回転の遅れが出たりします。
フロート、フロートバルブ
キャブレターに入ってくる燃料を一定の量に調整する部品です。
燃料が吸われるとフロート(浮き)が下がり、一定の量に達するとフロートがフロートバルブを持ち上げ、栓をする仕組みです。
この仕組みがうまく機能しないとオーバーフローや燃料が吸いあげられなくなったりします。
スロットルバルブ
スロットルバルブはバタフライとも呼ばれ、アクセル開度に応じて空気の流入量を調整する部品です。
アクセルワイヤーと繋がっておりアクセルをあけるとバタフライが開く仕組みになっています。
多気筒の場合、バタフライの摩耗等でキャブレターの同調が崩れたりします。
他にも放置でバタフライが固着してしまう事もあります。
まとめ
キャブレターは燃料と空気を混ぜエンジンに送り込む重要な部品です。
一つ一つの役割を覚えれば不調が起きたときに原因を絞り込みやすいので、是非覚えていってください。
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